異分野のヒトとの飲み会はなかなか良い

昨日、有機化学を専攻している先輩と鉄を磨く研究をしている同輩と飲んだ。それぞれ自身の研究について紹介しつつ、それを酒のつまみにした。
化学の先輩はとても饒舌に研究の紹介をしてくれた。
グリシンを除くアミノ酸には、ちょうど右手と左手の関係のように、互いに鏡に映すと同一になる構造のものが存在するという。一方をL体、もう一方をD体と呼んで、なんと体のたんぱく質を構成するアミノ酸はすべてL体だそうだ。D体のアミノ酸は自然界に存在しないんだと。では、人為的に作ればよいじゃないかということで作ってみるとあら不思議、L体とD体が同じ比率でできてしまう!ではなぜ自然にはL体しかないのか!?先輩曰く、それはもうすごい相互作用が起きていて、自然の中ではものすごいことになっている、と。「自然に勝る設計図はない」とはこのことかー。化学というのは僕らからしたらかなりミクロな視点の話で、しかしそこにあるのはやはり相互作用。通ずるところがある。触媒とか、H2O反応し過ぎとか、ノーベル化学賞とか、ああおもしろいなーケミストリーは!と思えた。
鉄を磨く同輩は、すごい。世界のすべてはいずれ鉄になる理論。一番元素で安定なのはFeで、炭素でもなんでも結局は一番安定なFeとなる、と。地球のまんなか(マントル)も鉄なんだと。もちろん物質の半減期からしてすごい長い期間なもんだから、そうなるものすごい時間がかかる壮大なストーリーだ。研究自体は古くからあるもので、あまりおもしろいものではないという。
私は、今の研究というより、今考えているロボットについて話してみた。ヒトらしさはどこで生まれてくるのか、ロボットにヒトらしさを感じるにはどうすれば良いか、「便利なツール」としてのロボットではなくロボットがあって初めてできることは何かあるはずだ!といろいろ話しつつ、アイデアも分けてもらう。あとインターネットについて、パソコンを通して情報を閲覧するという接し方だけじゃなく、もっと違った側面からインターネットを見てみるともっとおもしろくなるんじゃないかー、と提案。提案ばかりで発散傾向だったのを反省。今考えているのではまだ雲をつかむような感じで、つい非科学調になってしまう。持論に具体性や客観性を持たせなければならない。次回までにはちゃんと掘り下げて考えてみようと思った次第。
結局朝まで飲んだ。異分野のヒトとの飲み会ほど楽しいものはないなー。いろんな物事を別の視点から覗ける感じ。そんでもって自分の研究を別の視点から覗いてもらえるし、自分の研究や考えをうまく説明する能力も養われる。しかも最先端の研究をしているヒトはすごいアグレッシブだし!こりゃいい!
飲み屋でやったので書くものがなかった。図を書けばもっとわかりやすく説明できたのにーという意見が。たしかに。次回からは紙と鉛筆を用意しよーっと。
次は建築の先輩と飲みたいな。