相互依存関係

お互いに依存し合う関係というのは、よく考えると意外と見に回りにあふれていると思いませんか。
例えば”夫婦”。夫は妻という存在があって初めて夫になる。逆に妻も夫がいるから妻となり得るんです。独身なのに「私は夫です」というのもおかしいですよね。
また、言語に関しても相互依存関係が成り立っています。ソシュールの言語論では、言葉には記号表現(指示するもの)である「シニフィアン」と「シニフィアン」と記号内容(指示されるもの)である「シニフィエ」という2つの側面があり、そのシニフィアンシニフィエの結びつきは恣意的なものであるという考えがあります。つまり、「パソコン」というものは「パソコン」と呼ばれる必然性は全くなく、「ルータ」と呼んでもよいし、「車」と呼んでもよいはずです。それにも関わらず、それが了解される体系のなかでは「パソコン」と呼ばざる得なくなってしまう。ライトやカメラ、ライトなどのシニフィアンがあるからこそ「パソコン」というシニフィアンが顕在化するわけです。周りがないと自己を保てない、お互いに相互依存関係にあるもの、それが言葉です。

そこで相互依存という観点から、webサービスというものを見てみましょう。
googleなどの検索エンジンでは、ユーザの知りたいことばの検索結果を提供しています。ユーザは検索結果を得る代わりに、指定されたキーワードとよく組み合わせて検索されるキーワード情報を抽出する機能である関連検索の材料を提供しています。また、このサービスがどうして成り立っているかというと、Google AdSenseという広告配信サービスによって、Googleにお金が入ってくるというわけですね。お金のレイヤーでも相互依存関係が成り立っています。

web2.0の時代になり、webサービス自体もマッシュアップによって依存関係を増やしてきています。

次はどうなる?!

参考
ソシュールの言語論(シニフィエ・シニフィアン)と構造主義